2013年3月11日月曜日

食と健康について

昨日は「ボストン日本女性の会」の集まりで、食と健康についてのお話を聞いてきました。

講師はハーバード大学の研究者である大西睦子さんと、フードコーディネーターでYoko Design Kitchen主宰のブライデン陽子さん。

お二人のお話、Q&Aでのディスカッションの内容などから私が気になった点をいくつか挙げてみたいと思います。

食の格差

貧富の格差も拡大していますが、食の格差も拡大しているなーと感じました。これは「量」と「質」の両方において。

たとえばアメリカは肥満率が上がる一方で、BMI30以上の「肥満」は約30%、BMI25以上となると(日本ではこれで「肥満」)約70%にも上っているそうです。

対して世界を見てみると、アフリカなどでは栄養失調が問題になっており、日本でも若い女性はBMI値が低すぎる(18.5以下)人も多く、逆の問題が出てきているとか。(睦子さんのお話)

質を見てみても、たとえば、学校給食の話題になり、アメリカの給食はお粗末なことが多いけど自宅からもってくるお弁当の内容を見てみると極端なくらいにヘルシーな場合もかなりあるよねという話が出ました。

アメリカの食生活は一般的に悪いというイメージがあると思いますが、誰もがハンバーガーやピザばかり食べ、コーラをがぶ飲みしているわけではありません(笑)。土地によってずいぶん違うようですが、マサチューセッツ(特に都会のほう)は肥満度も低く、ヘルシーな食事を心がけている家庭が多いです。

子どもの食べ物を見ていても、飲み物は水(たまにミルク、もっとたまにジュース)、学校にもたせるスナックはリンゴや生の人参など、という場合も多いです。うたこが他のお宅(非日本人のお宅)に遊びに行っても、これまでにジュースやスナック菓子が出てきたことは一度もありません。(チョコミルクを出してくれたアジア系のお宅を除く。ジュースは一度くらいはあったかも?)我が家に遊びに来て、「飲み物はどうしましょうか?」と聞いても(必ず親に聞いてから出します)答えはたいてい「水」だし。

でもうたこの話を聞いていると、先生が「スナックはヘルシーなものをもたせてください」と何度言っても毎日オレオもってくる子、毎日給食でチョコレートミルクを飲む子などもやはりいるようで、差が激しいですね。

ちなみに我が家は極端に制限もせず、野放しでスナック食べ放題にもせず……かな。幸い、キャンディなどよりも豆腐とケールのほうが喜ぶ子なので(笑)、楽させてもらってます。

加工食品との付き合い方

今の時代、加工食品をまったく避けることはできませんが、昨日のお話を伺って、基本的にはやはりできるだけ手作りで、無理な場合は表示をよく見て買うのが大切と改めて思いました。

幸い(なのかな?)アメリカに越してきてから、日本のものが簡単に手に入らない、手に入っても値段が高い、おいしいものがない、などの理由で日本では市販品を買っていたものをいくつか手作りするようになりました。たとえば味噌やポン酢(醤油とレモン汁を混ぜてだし昆布を突っ込んでおけばできます)、ドレッシングなど。

手作りは添加物がなくて安心というのもありますが、こうやって手作りを始めてみると市販品の味(化学調味料とか?)が気になってあまりおいしく感じなくなりました。陽子さんもおっしゃってたけど、実は日本のものって意外と添加物多いよなーと気がついたり。

昨日はブライデン陽子さん手作りのふりかけやしば漬けなどを試食させていただいたのですが、どれもすごくおいしくて感激でした。そしてこの場合の「おいしさ」は、ちゃんとした素材でちゃんと作った本物の「おいしさ」。心の底から幸せーな気分になりますね。

バランスのよい食事

加工食品に入っているリン酸や鮭やまぐろなど大型魚に含まれる水銀などの話が出て、ひとつのものを食べ過ぎるのはよくないなと感じたのでした。

これは体によくないものをたくさん取りこまないという点でもそうですが、適量必要だが取り過ぎるとよくないものを取り過ぎないようにする、必要な栄養をまんべんなく取れるようにする、という点でも大切だと思いました。

陽子さんが○○がからだにいいと報道されるとすぐに売り場からなくなるほどの人気になるというのは違う、そうではなくてバランスよい食事をするくとが大切といったことをおっしゃっていましたが、本当にその通りですね。

また、陽子さんからだいたいこのくらいの割合で炭水化物、たんぱく質、野菜、果物を取るとよいですよというお話もありました。(どこかで見たことあるなーと思ってググってみたら、いろいろ出てきました。アメリカ農務省USDAではMy Plateと呼んでいるようです。→

自分の食生活を振り返ってみると、前からうすうすわかってはいましたが、炭水化物が多すぎで、たんぱく質が不足気味なように思います。それと、時々食べる甘いもの類が余分かな!

うたこは野菜が足りなさそう。日によって、というか、メニューによってはたくさん野菜食べますが、食卓に好きな野菜がない場合はあまり食べないことも多し。もっと工夫して食べさせるようにしたいと思います。

質のよい食事

睦子さんのお話で、猿を使ったカロリー摂取に関する研究結果について触れられました。確か去年だったか私もどこかで読んだような記憶がありますが、カロリー摂取制限と老化との関係で2つの相反する研究結果が出た(1つは摂取制限したほうが老化が抑えられた、もう1つは差がなかった、というもの)というものです。これらの研究をよく見てみると、差が出た方ではいわゆるファーストフード的な質の悪い餌を与えていたのに対して、差のなかった方では質のよい餌(たとえば抗酸化作用のある成分が含まれているなど)が与えられていたそうです。

つまり、質のよい食事が大切で、質の悪いものを食べるなら減らしたほうがよい、ということでしょうか。

しかし加工品はカロリーが高い上に「もっと食べたくなる」ように作られているらしいですから(陽子さん談)、ファーストフードで量の制限をするのは難しいかもしれません……。


とにかく昨日は役に立つお話をたくさん聞かせていただき、また、陽子さんにはおいしい手作り品をたくさん試食させていただき、レシピと雑穀ミックスまでいただいて、大満足な集まりでした。陽子さんのウェブサイトにもおいしそうなレシピがたくさん載っていますので、皆さまもぜひどうぞ→

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